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再生可能エネルギーの未来のために、アイデアあふれる職場づくりを。【学校法人ジオパワー学園掘削専門学校】

2022年11月7日公開

気になる職場

地面を掘る掘削(くっさく)は、建設にはもちろん地熱発電やCO2の地中貯留など、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の発展に必要不可欠な技術です。その技術を学ぶ日本初の専門学校が2021年6月、白糠町に開学。同校の井上政史校長に掘削技術の重要性などについて伺いました。

次世代のエネルギー開発や防災に欠かせない技術。

「まずは『くっさく』という読み方から覚えてもらわなければなりません」と話すのは、井上政史校長。道内各地の高校で教頭や校長を歴任、定年後も私立高校や教育委員会等に勤めてきた教育畑一筋の人物です。
「掘削とはその漢字の通り、地面を掘り、削る技術。建設現場での地盤調査(ボーリング)や、井戸や温泉、油田開発までその技術が用いられています」
その専門学校がなぜ、白糠町に誕生したのでしょうか。実は、同学園の理事長は「業務スーパー」で知られる株式会社神戸物産を創業した沼田昭二さん。かねてから再エネによる発電事業や持続可能な農水産事業を手掛け、白糠町とも提携していました。更なる再エネ技術発展のためには掘削技術が必要不可欠である事が分かり、同校を設立したといいます。
「例えば、地熱発電はその文字通り、地熱で温められた水蒸気を利用するため、CO2が発生しません。地下深くにCO2を貯留する『CCS(二酸化炭素貯留)』も、世界中からその発展が待たれている。地震波を早期に検知する地震計を地下に設置したり、災害時に使える井戸を開発したりと、掘削技術は防災の面でも活用されています。再エネの開発にも、災害対策にも掘削技術は不可欠なんです」

技術だけでなく、業界の働き方ややりがいも発信する。

同校の設立には沼田理事長が私財を投じただけでなく、なんと20社を超える掘削会社や掘削機器メーカーから総額数百億円にもなる機材の無償提供があったのだとか。それだけ、業界全体が人手不足に対する危機感を持っているのだと井上校長は話を続けます。
「掘削技術者の平均年齢は60代から70代と、他業種に比べて異例のスピードで高齢化が進んでいます。大きな企業では、外国人技術者を招聘しているのが現状です」
技術者不足の背景にあるのが、かつての「きつい・汚い・危険」の“3K”とまで呼ばれた建設業界のハードなイメージ。さらに掘削の場合は現場が人里離れた山奥であることも多いため、「帰れない」が加わることもあったのだそう。
「ただ現在は業界全体が大きく変わり、安全管理や労働環境は整備され、女性も活躍しています。一方で現場は変わらず山奥であるのも事実。こうした現状もていねいに、全国に周知していくことも必要かもしれません」
開校後は全国の掘削会社からの問い合わせが殺到。一方で初年度の入学者は定員80人に対して4人という状況だったため「これからが勝負時」と井上校長は真剣な表情で語ります。

自由な環境づくりで、未知の世界へ進む人材を育てる。

現在、同校の常勤職員は講師2人を含む7名。講師の多くは非常勤のため、運営は井上校長を含む5人のスタッフが中心です。皆が業界のため、地球のためという高い志を持って働いている一方、その運営は「地下を掘るかのごとく」手探りだと井上校長。山積する課題を解決するために、風通しの良い職場環境を心がけているのだと言います。
「ある日、19歳の女性職員が『生徒を募集するために自衛隊に広報に行ってはいかがでしょう』と言うんです。聞けば『山奥での任務や重機の扱いにも慣れているし、数年で期限を終え、別な仕事に就く人もいます』。私は『なるほど!』と、すぐに自衛隊に相談と広報をするために向かいました」
最後に、掘削業界で働く魅力をたずねてみました。
「人類が掘った一番深い井戸は約12,261m。地球をリンゴで例えるなら、まだ皮にも達していない距離です。そんな未知の世界だからこそ、自らが開拓者になるという喜びを得られるでしょう。さらにそこで培った能力は、自分だけでなく、世界の人々のためになる。若い方にはこの業界で自らの可能性をも発掘し、活躍して欲しいと願っています」

  • 敷地内に学生寮や食堂を併設。遠方からの学生も安心です。

  • 広々としたホワイエ。掘削に関する資料や機械の見本が並びます。

  • 機械操作を学ぶ生徒。最新鋭の掘削機械や設備が揃っています。

学校法人ジオパワー学園 掘削技術専門学校

1年制の専門学校。ロータリー掘削、スピンドル掘削、掘削管理者の3つのコースに分かれ、「社会に役立つ再生可能エネルギーの技術者」を育成する。寮や食堂も完備。オープンキャンパス、資料請求も随時受付中。

北海道白糠郡白糠町大楽毛34-4
TEL.01547-6-0086
https://www.geopower-academy.ac.jp/